インドネシアの風景は近年で大きく変わりつつあり、特に利便性が向上したコンビニエンスストアもその一例です。
日本では当たり前のように「コンビニ」と呼ばれていますが、インドネシアではその概念は一般的ではありません。
ここでは「ミニマート」として認識されており、小規模なスーパーとしてのイメージが強いため、利便性の高いコンビニというよりは日用品を扱うお店という感覚が強いのです。
今回は、インドネシアのコンビニの種類について見ていきましょう!
インドネシアでコンビニといえば
インドネシア国内には「アルファマート」と「インドマレット」の2社が業界を独占しており、両者とも「ミニマート」という言葉を使わずにそのままブランド名で呼ばれるほどです。
街中では頻繁にこれらの店舗を目にすることができ特に首都ジャカルタでは、通りの至る所で目にします。
これらの店舗はどちらもインドネシア資本の企業で、看板や店舗の外観も赤・黄・青などの配色が似ており、提供している商品もほぼ同じです。
アルファマートとインドマレットの店内には、洗剤やティッシュペーパー、調理油や米、卵などの日用品が並び、日本のコンビニとは異なりスーパーの一部のような印象です。
また、温度管理が不十分な環境で置かれている卵などもあり、日本の衛生基準を基に考えると違和感があるかもしれません。
このため、インドネシアの人々は日常生活でミニマートを飲み物やお菓子を買う程度に利用することが多く、買い出し目的で訪れることはほとんどありません。
実際、多くの地元の人々は、路地裏の小さな個人商店「トコクチル」で事足りてしまう場合も多いようです。
インドネシアのセブンイレブン撤退の理由
2010年以降、日系のコンビニがインドネシア市場に参入し始め、徐々に新しい店舗スタイルが浸透してきました。
インドネシアは外国企業の参入に対して高い障壁を設けており、特にコンビニ業界への外資参入は法律で禁止されています。
そのため、日系のコンビニは「カフェ」として事業許可を得て営業しています。
これにより、店内には座席やコーヒーマシンが設置され、日本式のおにぎりや丼ぶりなどを提供する店舗も増えてきました。
このようにして参入してきた日系コンビニの代表がセブンイレブンです。
セブンイレブンは2009年にジャカルタに進出し、一時は200店舗近くを展開するまで成長しました。
しかし、急速な店舗拡大により資金繰りが悪化し、2017年にはインドネシア市場から撤退することになりました。
セブンイレブンの店内には、セルフサービスのドリンクコーナーや豊富な弁当類が並び、日本と同様の利便性を感じられる環境でしたが、インドネシアの顧客層には合わなかったようです。
特に弁当類の在庫管理が難しく、多くのロスが出ていたとされています。
また、大量購入を目的とする客層が少なかったため客単価も低くなり、収益確保が困難だったことも撤退の一因となりました。
現在の日系コンビニの現状
セブンイレブンの撤退後、ローソンとファミリーマートが引き続きインドネシアで営業しています。
ローソン
ローソンは2011年に、ファミリーマートは2012年に進出しました。
ローソンはインドネシアの大手ミニマートチェーンであるアルファマートと提携しており、両社の良い点を融合した店舗運営を行っています。
例えば、弁当やカフェエリアはローソンオリジナルで、その他の日用品はアルファマートの商品が並んでいます。
最近では、ジャカルタ都心だけでなく、高速道路のパーキングエリアや鉄道駅などでもローソンの店舗を目にする機会が増えています。
ローソンの特徴は、おにぎりや弁当類の他に、日本式のおでんを提供している点です。
暑いジャカルタでおでんが売れるのかと思われるかもしれませんが、冷房で体が冷えた時や雨の日には意外と人気があるようです。
ファミリーマート
一方、ファミリーマートは2016年に大手スーパー「HERO」のコンビニ部門「スターマート」を買収し、店舗拡大を加速させています。
ファミリーマートの店舗は他のコンビニと比べて清潔感があり、親子丼やカレーなど、日本の家庭料理風のメニューが揃っています。
レジ横にはアヤムゴレンや肉まん、あんまんなども販売されており、日本のファミリーマートに近い雰囲気を感じられます。
ローカルコンビニの現状
アルファマートとインドマレットも、日系コンビニの影響を受けて店舗改革を進めており、都心部を中心にカフェ機能を持つ店舗が増えています。
インドマレットでは、ミスタードーナツと提携してドーナツを販売しており、さらに店内調理の焼きたてパンも扱うようになりました。
アルファマートもローソンと同様に山崎パンを取り扱っており、甘さ控えめの菓子パンを気軽に購入できるようになっています。
まとめ
以上ご紹介したインドネシアのコンビニ4社の特徴をそれぞれ一言でまとめると、
・アルファマートはやや暗めの店内が特徴で、カフェ機能はほぼありませんが、ローソンと共通のポイントカードが利用でき、山崎パンも購入可能です。
・インドマレットは明るい店内で、ミスタードーナツやフローズン弁当、カフェ機能を備えた店舗も増えつつあります。
・ローソンは、シックな店内と多彩な弁当メニューが特徴で、おでんも販売しています。
・ファミリーマートは清潔感があり、親子丼やカレーといった日本式の丼ぶりを楽しむことができます。
となります。
インドネシアのコンビニ業界は、日系チェーンの影響を受けて急速に発展しており、これからも多様化が進んでいくと予想されるので出張や旅行でインドネシアを訪れる機会があれば立ち寄ってみてください!
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